株式会社と医療法人の違いはありますか?

大きな違いは!?

・剰余金の配当禁止

・出資をしなくても社員になれる

・解散時に残余財産がある場合は国等に帰属

(余剰金の配当)

株式会社は、業績に応じて株主への配当(分配可能額の範囲内)を任意に行う事ができます。

医療法人は、医療法第54条に剰余金の配当をしてはならないと規定しています。

医療法人の非営利性の位置付けとして、医療機関等の運営により生じた利益(剰余金)を社員等へ分配することは禁止されています

(株式会社の株主と医療法人の社員)

株式会社は、出資者である株主による株主総会に於いて取締役の選任を行います。つまり所有と経営が分離されています。

重要事項や決算報告は、株主総会で説明を行い、承認を得る事が必要となります。

 これに対して、過措置型医療法人及び基金拠出型医療法人に於いても、医療法人の社員による社員総会で、理事の選任を行います。

但し、資金を拠出しなくても社員になることが出来ることが、株式会社の株主とは大きく違う点です。 社員総会が医療法人の意思決定機関となっており、株式会社と同様に重要事項や決算報告を社員総会に報告し、承認を得る手続きが必要となります。

(解散時の残余財産)

株式会社の解散する場合は、すべての債務を支払ってもまだ財産が残る(残余財産)場合は、株主に分配します。

医療法人は、持分あり医療法人が解散した場合は、出資した割合に応じて、医療法人の中の財産の返還を求めることができますが、

平成19年の改正医療法施行後に設立された基金拠出型医療法人が解散する場合、清算した後に残った財産(残余財産)の帰属先は、国・地方公共団体・医療法人、その他の医療を提供する者であって厚生労働省令で定めるものから選定しなければなりません。

   ~その他、株式会社と医療法人の違い~

【設立について】

株式会社は、登記のみです。

医療法人は、都道府県による認可を受け、その後登記が必要になります。

設立時期について】

株式会社は、いつでも可能ですが、医療法人は、都道府県の認可のチャンスは、概ね年2回です。

【役員の人数】

株式会社の取締役は、1人以上。

医療法人の理事は、3人以上。監事1人以上。

医療法人の監事は、医療法人の親族は就任できないために、なかなか監事をお願いする方が、見つからない場合も少なくありません。

 

【代表者の要件】

株式会社は、代表取締役の要件はありません。

医療法人の理事長は、医師また歯科医師のみです。

 

【株主(出資者)の議決権】

株式会社は、株式数に応じて議決権はありますが、医療法人に於いて社員の議決権は、一人一票になります。

 など・・・まだ、違いはあります。

個人から、法人成りを検討されている方は、設立時だけでなく、その先も見据えて法人化をご検討ください!